僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
「僕が受け取りたいって思えるチョコは……キミからのものだけだよ?」
言ったら、「でも……失敗しちゃったから」って声を震わせる。
「失敗? 僕的には美味しくいただけて万々歳だったんだけどな?」
葵咲ちゃんのアゴを掴んで仰向かせると、ポロリと涙がこぼれ落ちて胸がギュッと締め付けられる。
僕は葵咲ちゃんに「大丈夫だよ」って気持ちを込めながら、やんわりと口付けを落とした。
そうしてこぼれ落ちた涙を舌先で舐めとって。
途端、先程までの全身を舐め回すようなあれこれを思い出したらしい葵咲ちゃんが、
「バカ……」
とつぶやいて、くるりと向きを変えると僕にしがみついてくるんだ。
「さすがにこのままだとのぼせちゃいそうだし、続きはベッドでしようか?」
ダメ元でそう言ったら、こくん、と小さくうなずいてくれるとか……マジか!
いつもなら「まだ、するの?」なところなんだけどな。
「失敗しちゃったチョコの代わりに私を……」
――食べて?
そんな言葉が聞こえたような気がしたのは、きっと気のせいじゃないはずだ。
END(2021/02/13)
言ったら、「でも……失敗しちゃったから」って声を震わせる。
「失敗? 僕的には美味しくいただけて万々歳だったんだけどな?」
葵咲ちゃんのアゴを掴んで仰向かせると、ポロリと涙がこぼれ落ちて胸がギュッと締め付けられる。
僕は葵咲ちゃんに「大丈夫だよ」って気持ちを込めながら、やんわりと口付けを落とした。
そうしてこぼれ落ちた涙を舌先で舐めとって。
途端、先程までの全身を舐め回すようなあれこれを思い出したらしい葵咲ちゃんが、
「バカ……」
とつぶやいて、くるりと向きを変えると僕にしがみついてくるんだ。
「さすがにこのままだとのぼせちゃいそうだし、続きはベッドでしようか?」
ダメ元でそう言ったら、こくん、と小さくうなずいてくれるとか……マジか!
いつもなら「まだ、するの?」なところなんだけどな。
「失敗しちゃったチョコの代わりに私を……」
――食べて?
そんな言葉が聞こえたような気がしたのは、きっと気のせいじゃないはずだ。
END(2021/02/13)