僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
***
――そこで身体が小さくビクッと跳ねて、目が覚めた。
「夢……?」
そのことにホッとして、嫌な汗で濡れた身体をゆっくりと起こす。
ふと横を見ると、私と理人の間に割り込むように愛猫が丸まっていて。
理人はセレに腕枕をして眠っていた。
眠りについた時、セレがいた場所には私がいたはずなのに。
そう思った途端、何だかすごく寂しくなって、スヤスヤと気持ちよさそうに寝息を立てる理人の鼻をキュッとつまんでやりたくなった。
「――んっ」
と、彼の鼻先まで手を伸ばしたところで、理人が眉根を寄せてゆっくりと目を開けて。
慌てて手を引っ込めたけれど「葵咲?」と中途半端に伸ばしたままの手を握られてしまう。
そんな理人の動きに、セレが不満そうにむくりと起き上がるとベッドから降りて行って、私と理人の間には何の隔たりもなくなった。
薄暗がりの中、身体を起こした理人がじっと私を見つめてくる。
「葵咲、怖い夢でも見たの?」
掴んだ手をそっと引いて、私をその胸に抱きしめてくれると、労るように背中を撫でてくれる。
大好きな理人の香りと温もりに包まれて、ホッとしたと同時に鼻の奥がツンとして。
――そこで身体が小さくビクッと跳ねて、目が覚めた。
「夢……?」
そのことにホッとして、嫌な汗で濡れた身体をゆっくりと起こす。
ふと横を見ると、私と理人の間に割り込むように愛猫が丸まっていて。
理人はセレに腕枕をして眠っていた。
眠りについた時、セレがいた場所には私がいたはずなのに。
そう思った途端、何だかすごく寂しくなって、スヤスヤと気持ちよさそうに寝息を立てる理人の鼻をキュッとつまんでやりたくなった。
「――んっ」
と、彼の鼻先まで手を伸ばしたところで、理人が眉根を寄せてゆっくりと目を開けて。
慌てて手を引っ込めたけれど「葵咲?」と中途半端に伸ばしたままの手を握られてしまう。
そんな理人の動きに、セレが不満そうにむくりと起き上がるとベッドから降りて行って、私と理人の間には何の隔たりもなくなった。
薄暗がりの中、身体を起こした理人がじっと私を見つめてくる。
「葵咲、怖い夢でも見たの?」
掴んだ手をそっと引いて、私をその胸に抱きしめてくれると、労るように背中を撫でてくれる。
大好きな理人の香りと温もりに包まれて、ホッとしたと同時に鼻の奥がツンとして。