僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
「――理人(りひと)の、バカ……」

 ややして、吐息まじりにそう言って。

「あのぬいぐるみ、理人に似てるって思ったから……だからいいなって思っただけなのに」

 聞こえるか聞こえないかの声音でそう付け加える。


 ――そうでなかったら私、きっと見向きもしなかったよ?


 スーツとネクタイを身につけているように見える外見も、優しく微笑んでいるくせに、どこか寂しそうにこちらを見つめる捨て犬みたいな眼差しも。
 エプロンをして、本を持っているところも。

 みんなみんなアナタを彷彿(ほうふつ)とさせるから……だから連れ帰りたくなっただけなのに。


 自分の幻影に嫉妬するなんて、本当愛しい(バカな)人。
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