僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
〝本物〟がいい
「ね、理人、知ってる? スマートフォンから聞こえてくる声は、相手の本当の声じゃないんだって」
葵咲が本気で聞いて欲しくて話し始めたのが分かったんだろう。
突然何の脈絡もなくそんなことを言い始めたにも関わらず、理人はさっきまでのように言葉を遮ることなく黙って耳を傾けてくれている。
「私、嫌なの。理人の声みたいに聞こえるけどそうじゃない合成の声とこう言う秘め事をするの」
言って深呼吸をするように大きく息を吸い込むと、
「理人に聴こえている私の声だって、機械が作り出した偽物なのよ? 理人はそんな作り物の私とエッチしたいの?」
そう、一気に捲し立てる。
何も言わない理人は、きっと葵咲がいま言ったことを思案しているんだろう。
葵咲が本気で聞いて欲しくて話し始めたのが分かったんだろう。
突然何の脈絡もなくそんなことを言い始めたにも関わらず、理人はさっきまでのように言葉を遮ることなく黙って耳を傾けてくれている。
「私、嫌なの。理人の声みたいに聞こえるけどそうじゃない合成の声とこう言う秘め事をするの」
言って深呼吸をするように大きく息を吸い込むと、
「理人に聴こえている私の声だって、機械が作り出した偽物なのよ? 理人はそんな作り物の私とエッチしたいの?」
そう、一気に捲し立てる。
何も言わない理人は、きっと葵咲がいま言ったことを思案しているんだろう。