僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
『空港に19時過ぎに着きます。レンタカーを手配したので大体の場所を教えてもらえたら迎えに行けるよ?』

 搭乗前にそう連絡(メッセ)をした僕に、葵咲(きさき)ちゃんから『じゃあ夕飯は一緒に食べられるね。()()()()()そう伝えておくね』って返信があって。

 この返信からすると、夕飯お預けで僕のことを待っていてくれるってことだよね。

(葵咲ちゃん、お腹すかないかな)

 彼女と食事が摂れるのは大歓迎なんだけど……何だかんだしていたら食べられるのは20時とか過ぎそうな気がする。僕は正直、彼女がひもじい思いをするのは耐えられないんだよね。

 それに――。

 みんなって誰だろう?
 お世話になっているお宅の皆さんって意味だろうか。

 まぁ確かに本来ならあちらに滞在中はずっと友人宅――ご実家だと聞いている――にお世話になるはずだったんだから、それは大事だよね。

 と思いつつ……何となく引っかかるものを感じるのは僕の勘ぐりすぎだろうか。

 葵咲ちゃん、実はメールになると結構情報を端折る癖があるんだ。
 というより、もしかしたら僕の性格を知っていて……敢えて何パターンかに取れる書き方をしているのかもしれない。

 大概僕の杞憂が多くて……深読みしすぎて空回りって場合がほとんどなんだけど、たまに油断した頃に爆弾を投下されると言うか。

 さて、この“みんなにも”はどっちかな?

 飛行機のシートに深く身体を沈めて、目を閉じると、僕は一人悶々と考えた。

 ま、行けば分かるか。
 そう思いはするのだけれど――。
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