敏腕パイロットとの偽装結婚はあきれるほど甘くて癖になる~一生、お前を離さない~
私のほうが何度も謝らなければならないのが腑に落ちないが、定刻通りに飛行機を送り出すのが私たちの仕事。

ここで事が大きくなってカウンター業務に支障が出るとこのあとが大変だ。
穏便に済ませたい。


「前はなんとかしてくれたぞ」


引き下がろうとしない男性は、怒りの形相でつっかかってくる。

なんとかって、何百グラムならまだしも、五キロ以上の超過をどうごまかせと?
無茶にもほどがある。


「お支払いいただけませんでしょうか?」


私はもう一度支払いを求めた。


「はー、無理。乗せてくれるまでここを動かない」


いい大人なんだから素直に払ってよ!
動かないのは勝手だけれど、飛行機は時刻通りに飛んでいく。乗れないだけよ。

心の中で悪態をつくも、うしろにまだ行列ができているので放置しておくわけにもいかない。

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