敏腕パイロットとの偽装結婚はあきれるほど甘くて癖になる~一生、お前を離さない~
どうしよう……と思ったそのとき、カウンターの奥で仕事をしていたこの便の責任者、デパーチャーコントローラーの先輩がつかつかと歩み寄ってきた。
「申し訳ございませんがこれは規則でございます。どなたにも公平にお支払いいただいておりますので、どうしてもご無理ということでしたら搭乗のキャンセルをお願いいたします」
凛々しい表情で毅然と告げる。
隣の私は小さくうなずきながらも、自然と背筋が伸びていた。
〝お客さまは神さま〟という時代もあったようだが、迷惑をかける人を断る権利だってある。
ただ、それが簡単にできないので苦労しているのだけれど。
「わかり、ました」
先輩の言葉が効いたらしく、男性客は渋々ながらも超過料金を支払ってくれた。
その後は待たされていた乗客から「遅い」と何度も叱られ、頭を下げながらパスポートチェックをする。
「申し訳ございませんがこれは規則でございます。どなたにも公平にお支払いいただいておりますので、どうしてもご無理ということでしたら搭乗のキャンセルをお願いいたします」
凛々しい表情で毅然と告げる。
隣の私は小さくうなずきながらも、自然と背筋が伸びていた。
〝お客さまは神さま〟という時代もあったようだが、迷惑をかける人を断る権利だってある。
ただ、それが簡単にできないので苦労しているのだけれど。
「わかり、ました」
先輩の言葉が効いたらしく、男性客は渋々ながらも超過料金を支払ってくれた。
その後は待たされていた乗客から「遅い」と何度も叱られ、頭を下げながらパスポートチェックをする。