敏腕パイロットとの偽装結婚はあきれるほど甘くて癖になる~一生、お前を離さない~
窮屈なパンプスで走り回るのが苦手な私は、素足が心地よすぎてすっかり頭から飛んでいたのだが、もう片方はどこに行った?

オフィスに戻る前に捜さなくては。

脱げたあたりでキョロキョロ見回すと、窓際にポツンと残されているのに気がつき歩み寄る。


「よかった、あった」


といっても、使いすぎてヒールのゴムが擦れている片方だけのパンプスなんて誰も欲しくはないだろう。

誰かがよけておいてくれたのかなと思い近づくと、パンプスの中にメモ用紙を発見した。


「なに、これ」


ふたつに折りたまれていたそれを広げる。


【May Lady Luck smile on you】


「幸運の女神があなたに微笑みますように……って」


なんて素敵な言葉かしら。

ゲートリーダーに苦言を呈されたばかりだったが、自然と口角が上がる。

私はそのメモをポケットにしまったあとパンプスを履き、オフィスに向かった。
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