名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
 返事の代わりに顔を上げ、体の向きを変えて、自分から朝倉先生の唇にキスをする。
 自分からなんて恥ずかしいけれど、上手く言葉に出来ない想いを伝えたい。
 そんな想いを込めて、キスをした。
 小鳥が啄むようなキスを何回もした後、唇を合わせる長いキスをした。
 甘いキスを交わした後に唇が離れ、朝倉先生の艶のある声が耳をくすぐる。

「夏希さん、煽らないでください」
 
「翔也さん、私……」
 潤んだ瞳で見つめてしまう。

「次の約束まで、じれったい思いをさせるなんて、夏希さん、意地悪ですね」

「そんな……」

 朝倉先生は、フッと笑った。
「今日は、これ以上無理させません。約束楽しみにしています」
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