名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~

「やったね! 結婚を前提としてなんて素敵。で、美優の事もOKなんだよね」

「もちろん。だって、朝倉先生は、なんと、美優の出産の時に立ち会ってくれた人だったんだよ」

 チェストの上の写真立てを思わず見てしまう。

「なにそれ! そんなことってあるの! 運命感じちゃうよね」

 二人でキャッキャッとはしゃいだ後で、紗月に相談に乗って貰うべく話を切り出した。

「実は、悩んでいる事があって……」

 それは、元カレ将嗣の事だった。
 偶然出会って、復縁を求められて、美優の認知問題もある。会わないわけにも行かないが気が重い。と紗月にザッと説明する。
一通り聞き終わった後、紗月から出た言葉は私の考えと違うものだった。

「で、夏希ちゃんは、新しい恋人に気持ちが行っちゃっているから、元カレとの復縁はないってこと?」

「言い方。それじゃあ、私が浮気性みたいじゃない。そもそもは、元カレが結婚していたのを隠して私と付き合っていたのがイケナイんだよ」

「まあね。でも、今、フリーなんでしょう? 元カレのどこがダメなの? 歯医者さんなんて優良物件だし、美優の本当のパパなんだし、子供にしてみたら本当のパパが良いに決まっていると思うんだよね」
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