名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~

「あの、今度何時会えますか?」

『週末に会いましょう』

 週末に会えると聞いて胸が高鳴る。そして、携帯電話を持つ手にギュッと握りしめながら、勇気を出して口に出した。

「マネキネコのワイン飲みに行ってもいいですか?」
と、自分から誘うような言葉に胸がドキドキと高鳴る。

『はい、お待ちしていますよ』
 朝倉先生の声が耳をくすぐる。
 
 朝倉先生のお宅に週末遊びに行く約束をして、電話を切った後も、まだ心臓がドキドキしている。
 耳に残る甘い声、朝倉先生を思いながらチェストの上にある写真を見つめた。


 
< 157 / 274 >

この作品をシェア

pagetop