名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
 慌てて玄関を開けた。

 180センチの高身長、俳優でもやっていけそうなイケメン、切れ長の涼し気な目元、鼻筋の通った鼻梁、薄い唇、ザ・クール系男子。
見まごう事なき、朝倉先生が立っていた。

「谷野さん?」
「はい、谷野です」
と、返事をして気が付いた。

 上下スエット、ノーメイク、泣き腫らしたまま、顔も洗っていない。打ち上げの時に会った姿で80点、だとすると、今の私は、赤点どころかマイナスと言っても過言ではない程ヒドイ!

 しかし、天下の人気作家 朝倉翔也先生を玄関先に立たせて置く訳にも行かず、ましてや追い返す事も出来ず、「ドウゾ、オハイリクダサイ」と言った。

 そして、朝倉先生を案内したリビングを見て、もう一度後悔する。
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