名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
暫くして、満腹になった娘はおっぱいを飲みながらウトウトと眠ってしまった。
 衣服を整え、娘の背中を軽くトントンと叩いてげっぷをさせる。ベビーベッドに寝かせた時、ピンポーンと、チャイムが鳴り出前が届いた。

「ちょうど、夕飯が届いたみたいですね」
 お財布を持って玄関に急いで向かう。

 正直言って、何て声を掛けていいのか分からなかったから、出前の届くタイミングの良さにホッとした。

 目が合った後、朝倉先生変態疑惑の妄想で平静を保っていたが、内心はドキドキしていた。
 
 あの時の朝倉先生の瞳は、慈しみに満ちていて、とても暖かい眼差しであった。
 だからこそ、おかしな妄想で自分をゴマかし、次に掛ける言葉が見つからずにいた。

 朝倉先生の瞳の意味を知りたいような、知りたくないような複雑な気持ちになり、その感情を何と呼ぶのか見当もつかない。
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