名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
朝倉先生にお茶を出し、自分の湯呑に口をつける。
 はぁ~。落ち着く。

「谷野さんの入れてくれた、お茶美味しいよ」
 と、朝倉先生は、甘やかな笑顔を見せる。

 はう、尊い……。
 良かった。少しはまともな所が見せられて……。
 
 お茶を飲んで一息ついたので、PCの前で打ち合わせを始めた。
 先生は、イラストの制作現場を見るのが面白いらしく、ぺンタブレットに興味深々の様子。
「ここに書いて、PCで見れるの?」
と聞いてくる。
 いきなりペンタブでは大変かな?と思いながらも、ソフトを使いキャンバスを新たに起こした。

「どうぞ、好きな絵を描いてください」
「えっ!いいの?」

 ペンを渡すと朝倉先生が悩みながらペンを動かす。
 にわかイラスト教室の開催である。
 朝倉先生は椅子に腰かけ、私は斜め後ろに立ち声を掛ける。
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