名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
 駅前のタワマンに引っ越してきた、元カレ・園原将嗣。
 ヤツに会う心配をして、数日タワマンには近づかずに過ごしてきた。 

 でも、良く考えれば歯科医院に勤める将嗣の休みは、木・日曜日だったはず。それを避けた曜日の日中に買い物に行けば、仕事をしているヤツにばったり出会うこともないだろう。

 そして、今日はスーパーで水曜日のお客様感謝デーとドラックストアのポイントアップが重なる日。逃す訳には行かないのだ。

 いざ出陣!
 私は、タワマンの駐車場に車を入れ、娘を抱え店内に。
 さすが、感謝デーとポイントアップが重なる日とあって人が多い。

 だが、この戦いに負ける訳には行かないのだ。
 先ずは、娘をカートに乗せてオムツを買わねば!

 ドラックストアを目指しカートを走らせる。カートの下の段にオムツの大パック2個を乗せ、上の段におしりふきトイレに流せる用3個1パックを放り込む、後はテッシュペーパーとトイレットペーパー・シャンプーリンス。離乳食などの赤ちゃん用品も選ぶと、カートは既にいっぱいだ。
 娘が飽きて泣きださないうちに素早い行動が求められる。

 レジに行けば大行列。仕方ない。ここは、上手くあやしながら並ぶしかない。諦めて並んだレジの行列は、遅々として進まず、おやつの赤ちゃん用おせんべいで誤魔化すのもそろそろ限界かもしれない。

 ああ、お願いだから泣かないで!
泣きそうな娘にハラハラしている時だった。
< 57 / 274 >

この作品をシェア

pagetop