すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
「――コト、俺にも何か手伝わせて?」

 テレビを付けて、リビングに座っていてもらったけれど、やっぱり落ち着かなかったみたい。

 ヒロがそう言ってキッチンにやってきたから、私は「じゃあ、これ運ぶの手伝ってもらおうかな?」って、出来たばかりのおつまみをトレイに乗せて差し出した。

「何これすげぇっ! 何かいいにおいするなって思ってたけど……お前、あんな短時間で3品も作ったの?」

 ヒロが目をまん丸にして驚いてくれるから、何だか物凄く照れ臭くなって、「切ったり焼いたりしただけだからっ」とソワソワしてしまう。

「いや、けどさ、料理って基本そんなのの繰り返しだろ」

 テーブルに出来立てのおつまみを置くなり、私の方を振り返ったヒロにククッと笑われて、確かにそうなんだけどって思った私は、でもこんなのを料理と呼ぶのはおこがましいよぅとも思ってしまって。

「あ、あのねっ。次にヒロが遊びに来るときは、もっと手の込んだものご馳走するからっ。だからっ」

 ――あまり褒めないでっ!

 慌ててそう続けようとしたら、言い切る前にギュッと抱きしめられた。

「なぁ、どうしよう、コト。――こんなんされ慣れてねぇからかな。すっげぇ嬉しくて……俺、今、お前のこと、どうしようもなく好きだって実感させられてんだけど……」
< 114 / 172 >

この作品をシェア

pagetop