すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
「あ。レモンあるけどスライスしようか?」

 冷蔵庫に国産のレモンが買ってあったのを思い出してそう聞いたら「バーカ。そんなんいいから早くこっち来いよ」って笑われてしまった。


 私、ヒロをどれだけ甘やかしたいんだろう。

 大好きな人と付き合えるのって、物凄く気持ちが浮き足立ってしまうんだなって……。自分で自分が可笑しくなる。


 レモンは後で……と自分に言い聞かせて、とりあえずグラスを2つ手に取ると、中に氷をたっぷり入れて、ドキドキする心臓に静まれ静まれって声をかけながらリビングに戻った。


 テーブル前でどこに座るか一瞬だけ迷って、ヒロの対面に腰掛けようとグラスを配置したら、「遠くね?」って即座に彼のすぐ横へグラスを移動されてしまった。

 ヒロ、コンビニでは自分も緊張してるって雰囲気だったのに、アパートに入った途端すごく攻めてくる気がするの……気のせい?

 ドキドキしてどうしよう、どうしようってなってるの、私だけ?

「あ、あの……」

 ソワソワしながらヒロを見つめたら「ほら……せ、せっかく2人きり、なん、だし……」って、ここでいきなり物(・)凄(・)く(・)照(・)れ(・)た(・)顔をしてしどろもどろになるの、反則だよぉ。

 ヒロがこれだけ頑張って歩み寄ってくれてるんだもん。私も背伸びしなきゃって思わされるじゃないっ。
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