すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
 あーん、そのさーん。
 そこはふたりきりの方がきっと梨香子さん、嬉しいと思いますっ!


 心の中でそう言っていたら、不機嫌そうな顔をしたそのさんと目が合った。


「……鳴宮(なるみや)さん、何か変な誤解しちょるんかもしれんけど、俺と梨香子はそういうんじゃないけんね? こいつは俺にとっちゃあ歳の近い妹みたいなもんじゃけ」

 そこで、まるで言い訳するみたいに「さっきも言ったけど、俺が好きなんは鳴宮(なるみや)さんじゃけぇね?」と、付け加えたそのさんだったけど、私には「今はまだ」という前置きが聞こえた気がして。

 それでかな?

 さっきまでのように申し訳なさに曇った気持ちではなく、晴れやかな気持ちで「はい、分かってます。でも、私はもうヒロのものなので」ってにこやかに答えることができた。


 ねぇ、そのさん。〝今はまだ〟そう言う「お兄ちゃん」みたいな世話焼きさんの気持ちで梨香子さんのことを見ているのかもしれないですけど、ずっとそうとは限らないですよ?

 だってほら。一緒にいるうちにお互いの関係性って変わってくることがあるものでしょう?


 ――私と、ヒロみたいに。
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