すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
***

 「ありがとうございました!」という溌剌(はつらつ)とした声を背中に受けながら、荷物を手に柳川(やながわ)の後をついて店外に出る。

 何とか気合いでカウンターからここまで歩いたけれど、正直かなりヤバイかも。
 急ピッチで飲んだ挙句、すぐ立ち上がって歩いたりしたからか、お酒が一気に回って頭がクラクラする。


 そんな状態だったのもあってか、結局支払いの時、柳川(やながわ)にお財布を出させてもらえなくて、おごらせてしまった。


 お店の外、今にも揺らめいて倒れてしまいそうになる身体を、私、両足を肩幅に開いて気力でグッと踏ん張っている。

 幸い、花柄ブラウスに薄手のデニム素材のAラインロンスカを合わせているおかげで、大股を開いていても一見した感じでは布地に隠れて分かりづらいはずだ。

 よかった、ズボンとか履いてなくて。


「おごらせてごめんね。誘(しゃそ)ったの、私(わらち)だったのに」

 たどたどしい口調で言いながら眉根を寄せたら、

「バーカ。今日は朝から散々だったんだ。少しは格好付けさせろよ」

 って頭にポンッと触れられた。

 やだっ。
 もぉ、やめてよ。不意打ちでそう言うのっ。
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