すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
***

「あ、あのっ、や、ながわっ、お願、待って……」

 廊下に出ても無言で私の手を引いて足早に歩き続ける柳川(やながわ)に、私は彼の真意が分からなくて少しずつ不安になってくる。

 さっき星野くんが言ったような甘い雰囲気なんて微塵も漂いそうにないって分かったら、今度は柳川は何のつもりで私を連れ出したんだろう?って思って。


 柳川の歩く速度に付いて行こうと頑張ると、身長差のためかどうしても小走りにならなきゃいけなくて、ちょっぴり息も上がってしんどい。

 それで、息を切らしながら待って、と告げたら

「――すまん、早過ぎたか」

 言って、柳川が速度を少し緩めてくれた。

 でも、止まる気はないみたい。


「――ね、どこに……向かっ、てる、の?」

 実際には私、柳川といられるなら何処だって構わないんだよ?

 でも――。

 行き先はやっぱり気になって。思い切って問いかけたら、

「ゼミ研室」

 と吐き捨てるように言われて、私の心臓は息苦しさからだけじゃない鼓動を刻んでドクン、と嫌な音を立てて跳ねた。
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