若き海運王は初恋の花を甘く切なく手折りたい
「毎日キスするのもハグするのもすきだからに決まっているじゃないか――ずっと、ずっとすきだった……十五年前から」

 その日の夜、彼の手で啼かされつづけて意識を落としたマツリカは、ふかふかのキングサイズのベッドのうえで、カナトに抱きしめられた状態ではだかのまま朝までぐっすり夢を見ることもなく深く眠るのだった。
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