二人の幼なじみに愛されてます

もっと近づきたい

昨日に続いて今日も早起きをしてしまった。正確には昨日の夜に目覚ましをいつもより早くセットしておいたおかげだけど。やっぱりまだ、理央には会いづらくて早く学校に行こうと思った。

昨日と違って小テストはないから、早く登校したら律くんに怪しまれるかな。何か言い訳を考えておかないと。何がいいかな。

目覚ましにたたき起こされたぼーっとした頭のままではいい案は一つも思い浮かんでこない。欠伸をして、滲んだ目をこすりながら玄関をでた。



「おはよう、愛乃」



家の前に立っていたのは律くんだった。予想外のことに一気に頭が覚醒した。さっきまでの眠気がうそのようだった。



「律くん」



なんでここにいるの。私、先に行くこと伝えてないのに。



「理央じゃなくて残念だった? 」



律くんに理央を避けていることは話していないはずだけど、その口ぶりは何かを知っているようだった。



「え、いや」



理央じゃなくてよかったけど。
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