クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!

「は?」


き、気をつけろ?


一瞬、言っている意味がわからず、ぱちぱちと瞬きをする。



「アイツは愛華のことが気に入ってるみたいだから嫌なことされたらすぐに逃げるんだぞ」


「………絶対にありえないから」



なんのことかと思ったが、勝手に太陽が勘違いしてただけか。


五十嵐くんが私を好きになるなんてないじゃない。こんな取り柄もない私を好きになるなんて絶対にない。


うん。


ない。



「………はぁ。これだから無自覚は……」


「じゃ、また後でねー」


「あ、おい!愛華!」



まだまだ愚痴が続きそうだったので私は逃げるようにカバンを背負って教室を出る。


呼び止める声が聞こえたがそんなのは気にしない。


太陽は心配しすぎだって。


私は五十嵐くんに恋愛感情を持ったとこなんてないし、向こうだってそう。


太陽は変な方向に心配するよなぁ……。


あはは。
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