忘れたくない、私をみてよ。
「灯里が何を考えてるのか分からないよ、本当の灯里は、誰?」

灯里、と初めて本名で呼ばれた。彼女の息はきっとため息。溜まりに溜まった不満の渦。だからこんな悪口確定な話ができるんだ。信じられない。


「灯里って呼ばないで!この、クズ!」


本音がダダ漏れ。お互い様でしょ、私は悪くない。私は、ひとりぼっちだ。


「ちょっと言い過ぎなんじゃないの!」


守ってくれる友達がいるなんて羨ましい。皮肉屋になるつもりはないけれど、私にはそんな子いない。カホだって私の敵だった。
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