契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
 槙野とのキスはいつも最初はついばむように軽くされて、そのあと少しづつ激しくなる。
 最終的には深く絡み合うものになって、けれど、それにも美冬は抵抗を感じなくなっていた。

 それよりもむしろ、蕩けあってしまいそうなそのキスがとても好きになっていたのだ。
「祐輔の……キス、好き……」
「いっぱいしてやるよ」

 緩く舌が絡んで蕩けそうになっているところに、そっと槙野の手が胸に触れる。
 するっとタオルを外した。

「寒くないか?」
「平気。あっためて?」
 苦笑した槙野が今度は耳元にキスをする。
「いつの間にそんな風に誘惑することを覚えた?悪い子だな」

 耳に舌が差し込まれて、くちゅくちゅっと濡れた音がする。
「や、やぁんっ……」
 それだけのことなのに美冬の背中にぞくんとしたものが駆け上がってくる。

 美冬はぎゅうっと槙野に掴まった。
 首元にもキスされる。ぬるっとした感触なのはキスだけじゃなくて舌も這わされているからだ。

「んっ……」
 唇を噛み締めて、背中がベッドから浮いてしまうのを必死に堪える。
「噛むな」
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