契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした

18.煽り運転注意です!

「まだナカで感じるのは無理だろ。こっちのがいいんじゃないか」
 やっと開放されるのかな……そう思ったら一旦出ていった指はもう1本を伴ってまた入ってきた。

「……んっ」
「痛いか?」
「大……丈夫」
 驚いただけなのだ。

 槙野は初心者の美冬に心配そうに優しい顔で尋ねてくれて、とても優しく気を使ってくれていることはとても伝わるのだから。

 そうして、少し美冬の顔を見た槙野は足の間に顔を埋めた。あらぬところに顔が近い。
 美冬も大人である。
 槙野が何をしようとしているかは見当はつく。
 だからといって恥ずかしさが軽減される訳ではないのだ。

「や……やだっ! 恥ずかしいよ! やぁ……」
「お前が慣らせと言ったんだろうに」
「でも、恥ずかしいんだもん」
「やだとか、恥ずかしいとか言っておけ」

 槙野が顔を上げて、その部分にふっ……と息を吹きかけられる。
 そんな些細な刺激にすら美冬の身体はぴくっと揺れるのを止めることはできなかった。

 足の間から槙野が美冬を見てくるその瞳は艶めいてきらきらしている。
< 241 / 325 >

この作品をシェア

pagetop