雨降り王子は、触りたい。
落ち着け、心臓。
目の前にいるのはただのチャラメガネ王子だ。
動揺する必要なんてない。
ちょっと微笑まれたくらいで、そんな────
「好きな人、いる?」
「…!!!」
ゴンッ!!!
今度はしっかり、動揺してしまった。
それは杉山がのえるに向けた言葉で、私には関係のないものだったけれど…
手を滑らせた私は、目の前のお冷グラスを倒してしまった。
幸いなことに、水を被ったのは太腿の端の方だけだった。
しかしそこには、追い討ちをかけるように机から水滴が滴落てくる。