雨降り王子は、触りたい。
「あの、取り置きとかって…」
もう一度へらりと笑った────その時。
「俺が買ってあげるよ」
私の言葉に重なるようにして、声が落ちてきて。
後ろから人影が現れた。
声の方を振り向くと。
………え、誰?
そこには知らない男の人が、立っていた。
男性は私服で、この学校の生徒ではなさそうに見える。
大学生…かな?
優しそうな顔をしてるけど、どうにも見覚えがない。
私は怪しむような視線を送る。
しかしそんなことに構うことなく、男性は自分の財布から200円を取り出して、会長に突き出した。