雨降り王子は、触りたい。




「っ離してください」

「やだー」



どうしよう、怖い……!



力には自信があるはずなのに、やっぱり男の力には敵わない。

男は難なく、抵抗する私のことを掴んだまま足を進める。



周りはお祭りの雰囲気に酔っていて、私が助けを求めていることになんて気が付いてくれなくて。

あっという間に校舎の中へ連れて込まれ、人気のない階段の踊り場に追いやられた。



「離して…っ」



私は一瞬の隙を見て、捕まっていた腕を振り解く。



─────ドン!!!



そして、男の肩を思い切り押した。

男はぐらっとバランスを崩したものの、すぐに立て直して。

切り付けるような目がこちらに向けられる。


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