雨降り王子は、触りたい。
「はぁ……」
校舎裏に着くと、自然と手が離されて。
三咲は上がった呼吸を整えながら、膝に手をついた。
そんな三咲を、体力に自信のある私はケロリとした表情で見下ろす。
「……なんなのあんた、体力おばけ?」
「いや、そんな走ってないじゃん」
こちらを向いたのは、満面の笑みを浮かべる快晴レッドのお面。
三咲の表情は見えないけれど、きっとお面の奥で私を睨んでいると思う。
「ばーか」
「快晴レッドの顔でそんなこと言わないで」
予想通りここには人の姿がなくて、風が静かに雑草を撫でている。