雨降り王子は、触りたい。



………あったか。

初めて触れたその体温は、俺の全部を溶かしていく。

怪力のくせに細い身体、あっさりした性格なのに甘ったるい匂い、頬を撫でる柔らかい髪。

ぎゅう。抱きしめる力が自然と強くなる。

泣いてる奴相手に不謹慎かもしれないけれど、やばい。

心臓、爆発するかも。



「こっち見るなよ。ださいから」



そう言った俺は、もちろん涙が止まらなくなっているわけで。

それでも雨宮が泣くのは嫌だって、慰めたいって、そう思ったんだ。



『別にこの体質がなくても女は苦手。うるさいし、噂好きだし、変なあだ名付けるし…すぐ泣くし。』

─────いつか、雨宮に言った言葉。


< 364 / 451 >

この作品をシェア

pagetop