雨降り王子は、触りたい。
「そんなの、ありえない……!」
雨宮は自分のスカートの上でギュッと握り拳を作っている。
「でも俺の中では、脅されてることよりあんたに避けられてる方がキツかったんだけど」
正直政田に振り回されている間も、なんで避けられてるんだろうって、そんなことばかり考えてた。
このままずっと政田の言いなりになるわけにもいかないし、どうにかしないといけないってわかっていたけど。
そっちにまで頭、回らなかった。
「政田とは何もない。だから……もう避けないで」
気づけば陽が落ちて、星がぼんやりと顔を出していた。