雨降り王子は、触りたい。
「え」
────ぺしっ。
三咲の手の甲に、軽いしっぺが落とされた。
なんとなく空気に、緊張が走る。
三咲、大丈夫……?
ごくり、唾を飲むと。
「……全然大丈夫だわ」
三咲はキラキラと、目を輝かせた。
……よかった。
本当に三咲の体質はなおったんだ……!
それから、ぱちり。なんの濁りもない三咲の瞳と、目が合うと。
私の表情筋は、ふにゃふにゃになって。
多分今、自分でもびっくりするような優しい顔、してる。
◇
「今日それ、つけてるんだ」
放課後、帰り道。
三咲は私の髪を指さして、言った。