極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
『マリカは僕が誰かの血筋だとかどこかの跡継ぎだとか、そういうことは関係なく僕のことを好きでいてくれるよね?』

 マリカはぱあっと満面の笑みを浮かべる。

『うん! ショウおにいちゃま、大好きよ』
『僕もきみが大好きだ』

 率直で裏表のないマリカを失いたくないと思った。不愉快な女たち――母や同級生の女の子たちとは全然違う。

 俺はマリカに会って変わった。
 一つは、苦手だったスポーツに力を入れるようになったことだ。

『ショウおにいちゃまはなんでもできるのに、なぜかけっこが苦手なの?』

 天真爛漫な目をしたマリカに聞かれたことがきっかけで、俺は高校時代には硬式テニスで全国大会に行くほどになった。
 マリカにかっこ悪いところを見せたくないという気持ちが最初だったけれど、体を鍛えている間は無心になれる。今はそんな時間が多忙な仕事の間の息抜きになっている。

 そして、二つめは現実をまっすぐに見るようになったこと。

 音楽や絵画などの習い事が得意だった俺は、それまで将来は芸術方面で生きていきたいという夢をひそかに思い描いていた。でも、それは逃げだと思ってすっぱりとやめた。
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