極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「うん」

 わたしは腕を開いて、彼の背中を抱きしめた。
 翔一郎さんは一回深く息を吐く。

「絶対に傷つけないから、怖がらなくていい。いやなことがあったら言ってくれ。すぐにやめるから。……難しいが、なんとか止める」

 必死に理性を保とうと葛藤する、わたしの恋人。

「やめなくていい。……して」

 小さな声でつぶやいた途端、硬い筋肉がわたしの足の間に入ってきた。
 下半身を押しつぶす、熱くて重い体。浅くて速い呼吸。額からしたたる汗。

 きしむベッドの上で、わたしは初めての痛みと恥ずかしさに耐えた。やがてわたしの中にあったためらいは消え、二人の間の距離がなくなったことへの喜びに声を上げる。

 わたしたちの間にはもうわずかな隙間もなくて、そこには満たされた幸福だけがあった。
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