極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 何度その言葉を口にしても、ふくれあがる想いには到底追いつかない。恋する気持ちがあふれすぎて少し涙ぐんでしまった。
 契約なんかじゃなくて、本物の想いを差し出したい。翔一郎さんに受けとめてほしい。

「そんなかわいい顔をして泣くな。俺も好きだよ。鞠香よりもずっとな」
「そんなことない。わたしだって好きだもん」
「俺のほうが長く想っていた」
「時間の長さなんて関係ない」

 額に軽いキス。
 頬に優しいキス。
 唇に誓いのような、ゆっくりとした静かなキス。

「欲望の強さでも勝ってる」
「……はい?」

 欲望?
 翔一郎さんに問いかけようと思ったら、唇へのキスが深くなった。舌を絡ませて、息が上がって。

「んっ……」
「鞠香、俺を受け入れてくれるか?」

 翔一郎さんが追いつめられたような切迫した口調で言った。
 大人の自信に満ちた顔でも少年のような笑顔でもない、初めて見る顔。飢えた肉食獣のような鋭い視線。
 彼をこんな状態にしているのがわたしなんだと思うと胸がいっぱいになる。
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