極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 総トン数十一万トン、全長三百十メートル、高さ十三階層におよぶ巨大な豪華客船――それが、わたしの今いる場所。

 世界でもトップクラスのラグジュアリーなクルーズシップ、セレブリティクイーン号。

 高級ホテルのバンケットルームのような広々としたラグジュアリーな空間は、まさに『動くホテル』だった。

「Ladies and gentlemen, Good evening. Welcome aboard――」

 マイクを通した船長の挨拶が聞こえてくる。
 イギリス人の船長はにこやかに歓迎の言葉を口にすると、乗組員の紹介を始めた。

 スタッフも乗船客も人種はさまざまだ。イギリスとアメリカ東海岸を結ぶ北大西洋航路を行く船なので欧米人がほとんどだけど、中にはアジア系の顔立ちの人たちも見えた。
 ゲストの定員は二千人以上。上品な老夫婦やハネムーナーにまじって、若い世代もちらほら。

 イギリスのサウサンプトンから、アメリカ合衆国のニューヨークまで。
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