クローバー


なに爆弾落としてんの?!?!


驚いて目をパチパチさせている2人。
可愛い。じゃない!!


奏多をキッと睨む。奏多はふっと余裕そうなバカにするような顔を私達に向けどこかへ行ってしまった。


いや、どこ行くの?!?!

この2人の後始末はどうするの?!

なんなら私も連れてって欲しい。


あんなにもうるさかった2人が静かになった。あんなに望んでいた静けさなのに全然嬉しくないのは、あの腹黒い魔王奏多のせい。


「文、バイクってなに?抱き心地ってなに?」


「そうだよふーちゃん。ちゃんと説明するまで離さないから。」


口の端がヒクヒクとひきつる。


この兄弟怒ったらそっくりだ。ブラックな笑顔が超怖い。美形なだけに尚更だ。


「文俺前に言ったよね?他の男の事考えたり、近ずいたらお仕置だって。」


「え、あれってまだ有効なの?」


「当たり前でしょ?」


それはそれは綺麗な笑顔を浮かべた瑠衣。
いつもらそんなに口が達者じゃないのに怒った瑠衣はどうやら奏多のように黒くなるらしい。


可愛い瑠衣と悠斗さんに戻って欲しい。


それもこれも全部奏多のせい。どうしてあいつあんな事急に言ったんだ?絶対こうなるって分かっててやったらだろ。あの顔。


奏多の意図が掴めなくてイライラする。


後で覚えてろよ。


後ろと前にいる黒い2人をこれからどうしようかとため息が出そうになる文乃であった。

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