若頭、今日もお嬢を溺愛する
杏子を抱き上げた雷十は、ベッドにゆっくり下ろした。
そして組み敷く。

「杏ちゃん…可愛い……」
そう言って、口唇が重なった。

「ンンン……ん…苦し……雷、十…」
「口唇…離さないでください、杏ちゃん」
「やだ……苦しい…もん」
「じゃあ…苦しいのはしないから、もう一回キスさせてください」
「ん……」

そして身体に雷十の口唇が落ちてきた。

「え?ら、雷十!?」
「はい?」
「お風呂、入ってない!」
「うーん、今日は無理です!そんな余裕ありません!」
「え?や、やだよ!
ダメ!!シャワーだけでも、浴びよ?」
杏子の抗議は呆気なく却下され、首や鎖骨…太ももに雷十の口唇が沢山落ちていく。

「杏ちゃん、足…綺麗ですよね……」
「やぁ……んんっ……」
「フフ…可愛い、声……」
そして雷十が、杏子の胸元のリボンに手をかけた。

「じゃあ…開けようかな?プレゼント」
「………な、なんか…今日は特に恥ずかしい////」
「でも、嬉しいなぁ」
「え?」
「だって、俺がプレゼントしなきゃなのに、俺の方が凄く嬉しいプレゼント貰ったから!」
「そうだよ!私の日なのに!!」
「ごめんなさい」

「…………少しは悪いと思ってる?」

「はい」
「じゃあ…一つ、お願い聞いて?」
「はい」
「今だけでいいから、私のこと“杏子”って呼んで?」
「え?」
「敬語もなし。雷十と“普通”のカップルになりたい!」

「…………わかった」
「うん」

「杏子」
「━━━━!!!」
名前を呼ばれただけなのに、胸がキュッと掴まれたように痛い。
目が熱くなる。

「杏子?」
「………っつ…」
「杏子?どうしたの?
………泣いてる?」

「もっと、呼んで?名前」
静かに涙が溢れた。

「杏子、大好きだよ」
雷十が涙を拭い囁く。

「雷十…」
「杏子、杏子、杏子……」

もう……これだけで、死んでもいいと思えた。


夜が更けて━━━━━━━━
肘枕で杏子の頭を撫でている、雷十。
「雷十、寝ないの?」
「寝ないよ」
「どうして?雷十の寝顔、見たい」
杏子は雷十を組み敷き、被さるように上に乗った。

「杏子をまだ見ていたいし、何より誰にも寝顔は見せない」
「えーー!」
「仕事上、熟睡はしないんだよ」
「ん?どうゆうこと?」
「人間は、寝てる時が一番、無防備でしょ?
俺は常に命を狙われているから、自然と身に付いたんだ」
「ここには、私と雷十だけだよ」
「うん」
「私、雷十を殺したりしないよ」
「わかってるよ」
「だから見たい!寝顔」
「ダーメ!!」
「ケチ!!もういいもん!!」
雷十から下りて、ベッドから下りようとする杏子。

「杏子、どこ行くの?」
後ろから抱き締める、雷十。

「お水飲んでくる」
「行かないで?杏子…」
「え……雷十?」
「俺から離れるな…」
そのまま引き寄せられ、組み敷かれた。

「雷十…」
「俺の寝顔見る元気があるなら、まだまだ抱いてもいいよな?」
杏子の身体をなぞるように滑らせる。

「え?もう、無理!」
「フフ…俺の方が無理!せっかく疲れたかなって、休ませてあげようとしたのになぁー
杏子がいけないんだよ?」

また抱かれ、解放されたのは明け方だった。
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