不毛な恋模様〜傷付いた二人は、輝く夜空の下にて熱く結ばれる〜
諦めの日
 あれから半年。二人は毎日のようにお昼を一緒に食べる仲になっていた。

「今日もあの二人一緒にいるなぁ。まさか付き合ってるの?」
「いや、大学で同じサークルの先輩後輩だったって聞いてるけど」
「しかしあの二人……」
「びっくりするくらい絵になるよな……」
「今度上野に頼んで、飲み会とか開いてもらえないかなぁ」
「前に他の奴も聞いたらしいんだけど、目黒さんにはっきり断られたらしい」
「マジか……お堅いイメージあるもんな……」
「でもそこが目黒さんらしくていいんだけど」

 男性陣のコソコソ話が聞こえる。

「ねぇねぇ、研究室の目黒さん、やけに上野さんに馴れ馴れしくない?」
「わかる。お昼も毎日のように一緒に食べてるから誘いにくくなったよね」
「でも今まで上野さんが誘いに乗ったことってなくない?」
「まぁ……そうだけど」
「大学の先輩後輩なんでしょ? 目黒さんから上野さんの学生時代の話とかこの間聞いて、なんか改めてキュンとしちゃった」
「えーっ、どんな話?」
「それがさぁ……」

 など、女性陣の話も聞こえる。

「……紗世ちゃん、一体なんの話をしたの?」
「ふふ。教えません。女社会で生き抜くには、多少の対価も必要なんですよ」
「俺の学生時代が対価なのね……」
「モテる男の運命(さだめ)です」

 今日の波斗はいつもより元気がない気がした。何かあったのかしら……。
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