天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
「志田くんが『彼女は僕をずっと支え続けてくれているんです』って言ってたから、よっぽどいい子なんだろうなって思ってたんだ。訓練生のときから支えてくれるなんて、パイロットって肩書だけで寄ってくる女とは違うよね」
「いえ、あの。それは……」
「やだぁ。志田さんそんなことを言ってたんですかぁ?」

 焦って言葉を探す志田の腕を、安本がぎゅっと掴んだ。
 口元になんとか笑みを浮かべようとはしているものの、その顔は引き攣っていた。

「あれ、もしかしてそれって安本のことじゃなかった? ごめん俺、失言したかな」

 口では謝罪をしながら、一切悪いと思ってないのが伝わってくる。さわやかに微笑む芦沢のことを、安本がものすごい形相で睨んだ。

「志田さん、行きましょう!」

 とげとげしい声で言って、志田の腕を掴んで歩いて行く。

 ふたりの姿が見えなくなると、CAたちがこらえていたように息を吐きだした。

「あー、すっきりしたー!」
「さすが芦沢副機長。優しい顔して切れ味がするどい!」
< 124 / 238 >

この作品をシェア

pagetop