天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
「だってあんなドラマチックな状況、プロポーズするしかないじゃないですか」

 富永さんは目をキラキラさせて断言する。

「滑走路で抱き上げられてキスしてたしなぁ」
「映画を見てるみたいだったぞ」

 同僚たちから口々に言われ、私は両手で顔を覆った。

 みんなそろって双眼鏡で観察していたらしい。

 恥ずかしすぎる。
穴があったら入りたい。

 そう心の中で叫んでいると、「蒼井」と武地主幹に声をかけられた。
 絶対にからかわれるだろうと思いながら、恐る恐る顔を上げる。

 けれど、武地主幹は優しい表情で私を見ていた。

「蒼井、お前はよく頑張った。見事な管制指示だった」
「武地主幹……」

 予想外の言葉に驚く。

「ほんと、決断力も集中力もすごかった。隣で見てて、鳥肌が立った」

 北原くんにもそう言われた。
 どんなリアクションをすればいいのかわからず戸惑う。

「そんな、私はただ夢中で」

 首を横に振ると、主幹に背中を叩かれた。

< 194 / 238 >

この作品をシェア

pagetop