こんなにも愛しているのに〜私はましろ

両親への不信感 2

帰宅して
その日は母に今まであったことや、理恵おばさんに相談したことなどを
話そうと思っていたのに、
結局、西崎くんがあの日のわたしと父を見ていたという話で
また、黒く重く私の胸の中は渦巻いて、父にあんなことをされて
別れもできない母への恨みとなり、成績表を手渡し、なんとか自分を抑え、
当たり障りのない会話しかできなかった。

本当は
母とも顔を合わせたくなかった。

母が父と離婚をしないなら、二人で暮らしてほしい。
私はこの家を出ていく。
離婚するのなら、このまま母と暮らす。
でも
あんなに父への思いを残している母を、私はある意味、娘として
胸を抉られるような気持ちで見ている。

あんな父のどこがいいのか。。。
若い女と一緒にホテルにいるような父の。。。

弟のこともとうに忘れてしまったような父の。
お母さんは弟のことで、壊れたんでしょ。
お父さんはその時、お母さんを助けてくれたの。

私と二人、おじいちゃんとおばあちゃんのところで、暮らしている時
たまにしか来ないお父さんを、お母さんはあの時喜んでいた?
お父さんが来ても、昏い瞳のままいたじゃない。

でも
結局お父さんのところに戻って、何でもなかったように暮らして。

今思えば
本当に子供だったから、両親の姿がこんなものかと、
あまりに疑問にも思わず、難なく過ぎて行った。
ただ、不倫ということがどういうことかわかる歳になって、
ああいうことを経験して、
あの当時の父のことを今更ながらに、思い返してみると
父の身勝手さが、よくわかる。
母の弱さがよくわかる。

ましろのために離婚しない、なんて言わないで。

私には関係ない。。。

家族をやめたい。。。
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