冷徹ホテル王との政略結婚は溺愛のはじまりでした
そのとき、彼女がこちらを見つめて口を開いた。
「あの……今日から、観光するんだよね」
「ああ。国立自然保護区の自然が見たいって言ってただろ? ドライブ用の車もカメラも用意してある」
先にラスベガスへ来たときから、新婚旅行に備えて事前準備は万端だ。
すると、藍は少し頬を染めて俺に擦り寄る。
「……もう少し、一緒に寝てもいい?」
それは、時差ボケで眠いといった理由ではなく、ふたりで迎えた初めての朝の余韻に浸りたいのだと伝わってきた。
彼女は決して口にしないけれど、素直で分かりやすい。
「俺もそうしたいと思ってた」
額に口付けると、花のような笑みが見えた。
お互い抱きしめ合って目を閉じ、心地よい体温と相手の心音を感じながら、夫婦の新たな一日が始まったのだった。
*完*
後日談を描いた甘い番外編
ファン様への感謝を込めて
限定公開予定


