佐藤さん家のふたりとわたしと。
第十章「彼女なわたし」

MEI Story

人生初めて彼氏ができました♡



彼氏ができたら一緒にプリクラ撮って、おそろいのスマホケースにして、帰り道2人でアイスを半分こするんだ。


なーんて、夢みたいなこと考えてた私へ。
 

彼氏と2人、学校から帰る制服デート…

この張り詰めた空気はなんですか?

「「………。」」

ぴんっと糸が張ってるような緊張感。
お互い目も合わせず、なんなら不自然に視線は逆方向を向いている。

本日も奏志は部活。
待ってる!って言ったのに、頑なに拒否された。

隣を歩く大志とちょっとだけ距離を空けてしまったことが空気をより固くさせてるのはわかってるんだけど。

「…最近あったかいね」

「うん、そうだね。もう3月だもんね、春近付いてるよね」

「ね…」

会話に困った時ランキング第一位の天気の話を振ってしまった。我ながらセンスなさすぎる。

「芽衣期末テストどうだった?」

「あ、えっと…いつもとそんな変わらなかった!」

「そっか」

「うん」

「「…………。」」

え、なにこれ???
会話下手すぎじゃない???

幼馴染の大志の隣を歩くのと彼氏の大志の隣を歩くのは全然違って、ちゃんと顔が見れないし、上手く話せない。

無駄に心臓の音ばっかり気になっちゃって、息を吸うタイミングさえわからなくなる。

付き合うってどうしたらいいの?

「「………。」」

ただ無言で歩いた。もう話すことは諦めた。

こうゆう時、何したらいいのかな?
やっぱり恋人らしく手を繋いだりとか…

そう思った瞬間、大志の右手が私の左手に触れた。

「わっ」

びっくりして避けてしまった。たぶん考えてたことは同じだった。

「えっ」

だから大志もびっくりしてた。

「…ご、ごめんっ」

とりあえず謝った。たぶん今のは私が悪い…んだけど、もう一度手を差し出すこともできなくて手を繋ぐことが出来なかった。

「あー…いや、俺の方こそごめん」

寂しそうな顔させちゃった。

「…もうすぐ春休みだな!どっか遊び行こうぜ!」

「うん…っ」


彼氏と彼女になるって難しいんだ。

そんなことも初めて知った。
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