佐藤さん家のふたりとわたしと。
丁重にお断りして、教室に戻ると芽衣が次の授業の準備をしていた。

「え、告白された!?」

ちょっとだけビックリした様子でこっちを見た。

「なんかそれ聞くの久しぶりだね!入学したばっかりの頃何回かされてたじゃん」

「あーあったな、どっちでもいいから付き合ってってやつな」

奏志がめんどくさそうに芽衣の前の席にドカッと座った。
いや、そこはお前の席じゃねーよそこは。俺の席でもねぇけど。

「どっちでもいいからってなんだよ!大志とどっちでもいいって、絶対俺のがいいだろ!」

「それはこっちのセリフだわ!でもどっちとも付き合いたいって言われたのは初めてだったなー」

「堂々と二股宣言だね!で、どうしたの?」

「「断るに決まってるだろ」」

それ以外に答えがない。

「最初から二股かけてもいいですか?って言われていいですよ!なんて言うわけねーだろ!」

それは奏志の言う通り。
ていうか一般的にそうじゃね?

「ある意味清々しいんじゃないの?笑」

芽衣が笑ったところでチャイムが鳴った、午後の授業だ。

たまにあるめんどくさい告白、もうこれであの子とは関わるのをやめよう。可愛かったけど。それは本当に。
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