乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
第9話 二日目(夜)
またやってきてしまった。
この時間が―――二日目の夫婦の夜が!
けれど、私は昨日の私とは違う。
甘くみてもらっては困る。

「ネット通販で注文したマットレスと布団!これを押し入れに入れて、棒で閉めればっ!」

即日発送。
なんて素敵な言葉だろう。
ひきこもっていても指一本でポチれば、買い物ができ、自宅まで配達してくれるという便利なサービスがある。
これを利用しない手はない。
押入れの中に『ときラブ』をプレイするためのマイルーム(楽園)を手に入れてみせる。
私がせっせと押入れを改造していると―――

「膝枕してくれたのに」

「ぎゃっ!!!!」

いつの間に部屋にきたのか、ドヤ顔をしていた私の隣に天清(たかきよ)さんが立っていた。

「だ、だ、だから……いきなり現れないでください」

驚きすぎて、押し入れの中に逃げてしまった。
つい。いつものクセで。
我が安住の地よ、押し入れは。

「一つだけレベルをあげてみようよ」

真顔で天清さんは提案してきた。

「な、なんのレベルですか?」

「膝枕はしてくれたんだから、添い寝くらいはセーフだと思うけど?」

「ぜんっぜん!違いますからっっ!」
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