Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~

「おはようございます、浅川さん」

「あ、金本さん。おはようござ……」

比菜子の後輩、二十三歳ショートボブの金本の薬指には、金曜まではなかった小ぶりのリングが光っていた。

すぐさま目に入った比菜子は硬直し、震えながらそれを指す。

「か、かか、金本さんっ……その指輪」

「へへへ。ついにプロポーズされたんですぅ」

「本当!?」

おめでとう!と手を叩いて喜ぶ比菜子だが、心の中では(めでたい! めでたいけど! 金本さんも辞めちゃうのかな……トホホ)と泣いていた。

「浅川さん、ちょっといいかな」

「篠塚課長」

この女の園にひとりだけ混ざっている男性社員が、席に着いた比菜子に声をかけた。

総務課長の篠塚は柔らかい物腰に整った顔立ちをしており、こちらも常にシルバーの結婚指輪がキラリと光っている。

家族思いのイケてるオジサマとして女性たちにも人気のある彼は、数少ない総務部の社員である比菜子を頼りにしていた。
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