あやかし戦記 ネバーランドの子どもたち
「はい、もちろんです」

イヅナがニコリと微笑むと、チターゼは心配そうな目をしながらも部屋のドアを閉める。

潜入する日、潜入してからのこと、ギルベルトやツヤと話し、イヅナも部屋を出る。これが一番正しい選択なのだ。

手の震えは気のせいだと思い込み、イヅナはわざと大きな声で明るく言った。

「さて、甘いものでも食べに行こうかしら!」



式神を使って幼なじみのレオナード、ヴィンセントと連絡を取り、イヅナは二人と一緒にスイーツビュッフェに来ている。

「イヅナの好きそうな可愛いお店だね」

「よっしゃあ!全種類食べるぞ〜!」

ヴィンセントにイヅナに微笑みかけ、レオナードは店に入るとすぐに皿にケーキを盛り始める。

「ここ、ずっと前から行ってみたかったの!今日来れて嬉しい」

そう言い、はしゃぎながらイヅナもスイーツを皿に乗せる。

細長いシュー皮に少しビターなチョコレートがかけられ、その中にホイップクリームが入れられたエクレア、フルーツがたくさん使われ、ドーム型のケーキであるズコット、サクサクとしたアップルパイに色とりどりのマカロンも欠かせない。
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