あやかし戦記 ネバーランドの子どもたち
部屋にイヴァンのケラケラと笑う声と、フラスコの中の液体が沸騰していく音だけが響く。

男性は無言、そして無表情で作業を続けていたのだが、イヴァンのある一言に目を見開く。

「その鬼の女はカヤって言うらしくて、特別おいしい人間の肉の料理を振る舞っても一口も喰べなかったんだってさ」

「……それは本当か?」

ようやくイヴァンの方を向いた男性の目は、ギラギラと不気味なほど輝いている。イヴァンが答える前に、男性は彼の横を通り抜け、ドアに向かって歩いていた。

「えっ!?ちょっ、ちょっと、どこ行くのさ?」

普段、この地下室に籠って外に出るなど一年に数回あるかないかの彼の行動にイヴァンは驚く。

「そのカヤという鬼のいる農園に行く」

そう言い、男性は地下室のドアを閉めた。彼があそこまで何かに興味を示す姿を、長い間一緒に過ごしてきたイヴァンでさえ知らない。

「ええ〜、何か面白いことになりそ〜!」
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